太陽熱温水器を利用することによって得られるメリットとは何でしょう?
まず考えられるのは節約効果です。太陽熱を使って水を温めるわけですから、電気・ガス、灯油といったエネルギーをほぼ使いません。結果として単純に光熱費が安くなるだけではなく、CO2の削減にも大きく貢献することができます。
ガス、灯油といったエネルギーをほぼ使いません。結果として単純に光熱費が安くなるだけではなく、CO2の削減にも大きく貢献することができます。
では、具体的にどの程度の節約効果があるのか。今回は太陽熱温水器のメリットについてご説明していきます。
そもそも太陽熱温水器は、太陽光発電など他の自然エネルギーを利用した機器に比べ、比較的安価に導入できるという点が大きなメリットとなります。
また、機器自体が基本的にとてもシンプルな構造のため、太陽光発電などに比べ機器自体の価格が安いというメリットがあります。同時に、シンプルがゆえに故障時の修理やメンテナンス費用も低コストになります。
1〜2年であればそれほどでもありませんが、5年10年となるとかなりの金額になりますので、決して見過ごすべきものではありません。
では次に電気・ガス・灯油と比べ、具体的にどの程度、費用をおさえられるのか?
社団法人ソーラーシステム振興協会が毎年発表しているソーラーシステム・データブックの2018年度版より、太陽熱温水器が実際にどの程度、節約できるのかを見てみましょう。
給湯のみの太陽熱温水器で設備コストが30万円、年間集熱量が6,530MJ(1,560Mcal)、1年間のメンテナンス費用および動力費を1,500円として試算した場合のそれぞれの省エネ額とCO2抑制量です。
●LPガス … 節約金額 58,200円 / CO2削減量 489kg-CO2
●都市ガス … 節約金額 30,500円 / CO2削減量 442kg-CO2
●灯油 … 節約金額 19,200円 / CO2削減量 557kg-CO2
●深夜電力 … 節約金額 38,100円 / CO2削減量 1,161kg-CO2
●電力 … 節約金額 70,600円 / CO2削減量 1,161kg-CO2
このように金額にして約2万円から7万円、CO2削減量は約442kg-CO2から最大で1,161kg-CO2にもなるのです。
うまく運用することで、あくまで数字の上での話ではありますが、設備コスト30万円を約5年から6年で回収できてしまいます。
太陽熱温水器は他にも、現在、使用中の給湯器も変える必要なくそのまま接続できるというメリットもあります。
太陽熱温水器自体が低コストであっても、接続などに大きな費用がかかるのでは意味がありません。
そういった意味においても、太陽熱温水器は非常に低コストでありながら自然エネルギーを利用した機器の中でも熱変換率が高いという、とてもメリットの大きな機器であるといえます。