太陽熱温水器や太陽光発電といった自然エネルギーを活用するための機器を使用する目的は、色々あると思います。もちろん地球環境への配慮は最たるものです。それと同時に光熱費の削減を狙っての利用もあるのではないでしょうか。
そして、光熱費削減を目的とした場合に気になるのが、太陽熱温水器の耐久性や耐用年数でしょう。初期投資額を回収できないままに寿命を迎えてしまうというのでは、導入した意味がありません。
そこで今回は、太陽熱温水器の耐久性や耐用年数などに関してご紹介します。
太陽熱温水器の特徴の一つとして、その構造のシンプルさがあげられます。もちろん、ヒートポンプや動力を使うタイプなど、使用目的や機器によって差はあります。ただ基本的には太陽の熱で水を温めるだけのものなので、太陽光発電のように太陽電池を使い太陽光を電気に変換するといったものに比べれば、働きも構造もシンプルにできています。
そして構造がシンプルであることの最大の利点は、故障が少ないことです。また万が一故障した際の原因も判明しやすく、修理も構造が複雑なものに比べ容易です。これが太陽熱温水器が太陽光発電などよりも耐用年数が長いといわれる理由の一つでもあります。
では具体的に、太陽熱温水器の製品寿命について見ていきます。
一般的に太陽熱温水器の製品寿命は15年から20年と言われています。もちろん利用される地域や使用状況によっても変わってきます。また定期点検を行い、消耗品の交換などを適宜行っていれば、場合によっては20年以上経っても十分に利用し続けることも可能です。
これに対し太陽光発電の製品寿命ですが、こちらも気候や使用状況によるものの、ソーラーパネルは20年以上、太陽電池モジュールも10年以上の耐久性があります。
ただし太陽光発電の場合、導入10年を過ぎるとパワーコンディショナーと売電メーターの交換が必要になるため、維持コストとしては太陽熱温水器よりも高くなってしまう傾向にあります。
台風や地震などの自然災害や突発的なアクシデントに合うことがなければ、基本的に太陽熱温水器は20年以上経っても変わらず使用を続けることが可能です。また維持コストも他の自然エネルギー機器と比べれば、それほどかからないのも魅力の一つといえます。
そのためには、定期的な点検を怠らないことは必須です。また集熱部や貯水槽以外にも給水用のホースであったり、動力ポンプであったりの周辺部品の経年劣化を防ぐためにも、こまめに新品と交換することも、より長く快適に利用するためのポイントとなります。