真空管ヒートパイプ式 太陽熱温水器

太陽熱温水器の豆辞典

012太陽熱温水器の集熱方式/平板型・真空管型

太陽熱温水器を導入する上で、集熱部のタイプを平板型と真空管型のどちらにするか悩まれる方も多いのではないでしょうか?

基本的には、より低コストで太陽熱温水器を使いたいという場合は平板型がおすすめとなります。そして、多少コストがかかっても年間を通して太陽熱温水器を使いたいという場合は、真空管型がおすすめとなります。

今回はこの太陽熱温水器の集熱部の種類、構造やメリット、デメリットについてご説明します。

低コストだが高温を得るのが難しい平板型

冒頭でも言及しましたが、平板型は真空管型に比べ構造がシンプルなため、低コストでの導入が可能なタイプとなります。

集熱面は黒色でステンレスやアルミなどでできていて、その部分に太陽熱を集め、水などを温めます。循環方式は自然循環式、強制循環式のどちらのタイプもあり、強制循環式であれば水の他に不凍液などを循環させることもできます。
断熱に関しては、集熱面の裏側に断熱材を張り断熱をします。強制循環式で不凍液を利用するタイプであれば、冬場などでもある程度、高い温度のお湯を作れますが、構造上、集熱面のカバーガラスと集熱部との間の対流損失が大きく、真空管型に比べ100℃以上の高温を得るのは困難となります。

コストはかかるが年間を通して高温のお湯を利用できる真空管型

集熱面に板状の管を並べている平板型に対し、真空管型は細長い円筒状の管が並べられています。この円筒は二重のガラス管になっていて、外側のガラスと内側のガラスの間がほぼ真空の状態になっています。そしてこの真空層の内側に太陽光を熱に変換するための膜があり、管の一番内側の部分に水などを入れ、循環させ温めます。

構造的には魔法瓶のような形で、熱を外に逃がしにくくなっています。そのため冬場など外気温が低い時期であっても温かいお湯が使えます。平板型に比べ年間を通して高温のお湯を利用できるというのが、真空管型の大きなメリットです。
また、中には真空管の中に水などを入れずにヒートパイプを入れ、貯水槽の水を温めるタイプもあります。この方式では万が一真空管が故障した場合でも水が溢れてしまうといったことが防げるため、コストはかかりますが、逆にメンテナンスなどにかかる費用は抑えることができます。

居住地域に合わせた選択がポイント

太陽熱温水器を選ぶ際に、集熱部が平板型か真空管型かのみで選択されることはないと思います。ただどちらを選ぶかによってコストは大きく変わってきますので、より低コストで導入したいというのであれば、やはり平板型がおすすめとなります。

もちろん現在、居住されている地域が寒冷地であったり年間を通してあまり高温にならない地域の場合は、平板型では十分な温度のお湯を得られない可能性もありますので、真空管型の方がおすすめとなります。
私どものような専門家にご相談いただければ、より良いご提案をさせていただきますので、気軽にご相談ください。