太陽熱温水器は、変換効率の高さが魅力です。変換効率とは太陽エネルギーを電気や温水に変える率のことで、太陽光発電は太陽電池の質にもよりますが約10~20%で、太陽の力の10分の1程度しか活用できていないと言われています。一方、太陽熱温水器の変換効率は50~60%と、高い率で太陽の力を利用しています。
太陽の熱を使って水を温める、太陽熱温水器。太陽の光を電気に換える、太陽光発電。同じ太陽という自然エネルギーを使った機器ですが、その用途は大きく異なります。
現在、一般的には太陽光発電の方がよく耳にされると思います。発電ということで、テレビ・照明・エアコンなど家庭のあらゆる電気機器に使用できます。単純に水を温めるだけの太陽熱温水器に比べ、用途が広いというのも太陽光発電の方が認知を得ている要因と言えます。
また余った電気を売る(売電)ことができるということも、企業はもちろん一般家庭でも太陽光発電の普及スピードを速める後押しになっています。
しかし、太陽熱温水器が太陽光発電よりも優れている点も、実は少なくありません。今回は太陽熱温水器と太陽光発電の違いを見ていきましょう。
太陽熱温水器の未知なる力の一つが、変換効率の高さです。変換効率とは、太陽エネルギーを電気や温水に変える率のことです。太陽光発電は太陽電池の質によっても変わってきますが、一般的には10~20%だと言われています。つまり実際の太陽の力の10分の1程度しか利用できていないということです。
これに対して太陽熱温水器の変換効率は50~60%。なんと太陽光発電と比べ4倍~6倍の高さとなっています。発電と違い、単純に水を温めるだけのため、機器の構造もシンプルだということもありますが、太陽熱温水器は太陽の力を最も上手く利用している機器なのです。
変換効率が高いということはどういうことでしょう?
単純に考えて、太陽熱温水器が太陽光発電よりも変換効率が4~6倍も高いということは、それだけ少ない設備でも太陽の大きな力を取り込めるということになります。そして、それはそのまま価格にも反映されます。
太陽光発電は、設置費用に200万円前後かかるのが一般的ですが、太陽熱温水器は、給湯だけでなく床暖房などにも使えるタイプでも90万円前後。安いものは20~30万円で設置が可能です。
今回、冒頭で太陽熱温水器は太陽光発電よりも用途が少ないとしました。しかしお風呂や家事など、お湯は毎日の生活に欠かせないものです。もちろん電気がなくては暮らしていくことはできませんが、価格も安い上に太陽の力を有効に利用できる太陽熱温水器も、太陽光発電に勝るとも劣らない優良な機器といえます。
太陽熱温水器で「お湯」をつくる、太陽光発電で「電気」をつくる、という様にそれぞれの特徴を活かした太陽エネルギーの有効利用こそが、これからの時代に相応しいエコライフと考えます。