【 009 太陽熱温水器の自然循環式における水道直圧式・落下式 】では自然循環式についてご説明しましたが、ここでは強制循環式について見ていきます。
真空貯湯式とは、太陽熱を集める集熱部と温めたお湯を貯めておく貯水槽が一体となったものです。貯水槽が別となっているものに比べデザインがすっきりしている上、地上に設置することができますので、屋根に負担をかけることがありません。
より効率的に太陽熱を利用できる、強制循環式における真空貯湯式についてご説明します。
自然循環式は水よりも比重が軽くなるお湯の性質を活かした循環法でしたが、強制循環式は動力ポンプを使って水などを循環させます。動力を使う分、コストはかかりますが、自然循環式よりも早くお湯が作れます。
また強制循環式では、水ではなく不凍液を循環させるタイプもあります。不凍液の循環路と水の水路とが分離されているため衛生面での心配が少ないというメリットがあります。
さらに熱媒に不凍液を用いているため凍結の心配はほとんどありません。そのため、寒冷地であっても太陽熱温水器を利用することができます。
冒頭でもご説明しましたが、真空貯湯式は集熱部と貯水槽が一体となっているため、デザインがすっきりしています。地上に貯水槽を設置する場所がないが屋根の上もスッキリとさせたいという場合に最適のタイプです。
集熱は真空管型で魔法瓶のような構造になっています。そのためステンレスやアルミニウムで作られた平板型に比べ、冬など外気温が非常に低い季節でも、なかなか熱が冷めにくいというメリットがあります。
強制循環式は基本的に水道に直結するタイプのため、水圧の心配は少なく、お風呂のお湯はり以外にシャワーやキッチンでも利用が可能です。
また真空貯湯式は集熱部と貯水槽が一体のため、重量はありますが、屋根の上でも地上でもどこに設置してもコンパクトでスッキリしています。そのため、太陽熱温水器はデザインが好きでないという方や、住宅密集地や狭小住宅にお住まいの方に特におすすめいたします。